家庭用蓄電池「てるまるでんち」の群制御で首都圏初の再生可能エネルギー出力制御に連動した"上げDR"を実施
2026年3月12日
株式会社 東急パワーサプライ

スマート生活ナビゲーターの事業コンセプトのもと、スマートで環境に優しい社会実現に取組む株式会社東急パワーサプライ(本社:東京都世田谷区、社長:村井健二、以下当社)は、東京都の『家庭における蓄電池導入促進事業』を活用して推進する「てるまるでんちプロジェクト」(以下、本プロジェクト)において、東京電力パワーグリッド株式会社(以下、「東電PG))が、首都圏で初めて実施した再生可能エネルギーの出力制御(3月1日・7日・8日)※1に連動し、遠隔制御下にある131台の家庭用蓄電池で上げDR(需要創出型の充電制御)を実施しました。商用ベースで100台超の家庭用蓄電池を群制御し、出力制御に連動した上げDR※2を行った事例は、東京電力管内で初めてとなります。
本プロジェクトは、東京都の「家庭における蓄電池導入促進事業」および「【家庭用】アグリゲーションビジネス実装事業」の一環として、家庭向け蓄電池の社会実装と、都市の電力安定化に貢献する充放電の一括群制御によるDR(Demand Response)環境実装を目的としています。
1月20日の申込受付終了後、順次施工・設置を進めており、今回の再生可能エネルギー出力制御にあたっては、既に初期のテストを終えてシステムへの接続を完了している131台を群制御により連動、上げDRを行ったものです。今回の制御では、3日間で最大充電電力422kW、累計充電電力量で2,107.5kWhを達成し、これは系統用蓄電池0.2台分※3に相当します。また、出力制御時間帯の上げDRだけでなく、昼間に充電した電力をピーク時間帯に放電させることにより、蓄電池ご利用のお客さまの電気料金を3日間合計で17,674円の削減を実現しました。
当社では、再生可能エネルギーの有効活用において、余剰再エネの充放電による需要最適化につながる蓄電池の設置拡大は不可欠と考えていますが、系統用蓄電池など大規模蓄電池の導入が進む中家庭分野においてもレジリエンス対策と合わせて環境負荷を抑えた分散型蓄電池の導入が今後不可欠になると認識しており、今回の家庭用蓄電池の群制御による再エネ有効活用には、確かな手ごたえを感じております。
今後もお申込みいただいた「てるまるでんち」の設置を進めながら、群制御による再エネ有効活用の効果とお客さまメリットの最大化に向けて制御ナレッジの蓄積を進めるとともに、東京都をはじめとする自治体・関係機関と連携しながら、家庭用蓄電池のさらなる社会実装拡大に向けて、本プロジェクトを推進してまいります。
当社は、環境と調和する社会のモデルを模索しながら課題解決に貢献し、カーボンニュートラル社会の実現に向けて、今後も積極的に取組んでまいります。
*今回の上げDR制御における詳細は別紙を参照ください。
※1)太陽光や風力などの発電量が消費電力を上回る際に、電力系統の安定(同時同量)を保つため、 送配電事業者の指示で発電を一時的に停止・抑制する措置
※2)本DRは需要創出を目的としており、市場取引を目的にしたものではありません
※3)量産型系統用蓄電池(定格出力:2.0MW、定格容量:8.0MWh)とした場合
【別紙】
■上げDR制御の概要
1. 施工・運用状況(2026年3月8日現在)
・遠隔制御中蓄電池数:131台 蓄電池は随時追加設置され、遠隔制御が開始されています。
当社は市場連動型料金プラン「ライフフィットプラン」に基づき、需給状況や価格シグナルに合わせて、家庭用蓄電池の充放電を毎日自動制御しています。
2.出力制御発動日に連動した"上げDR"の実施
対象日:3月1日(11:00〜16:00)、3月7日(8:00〜16:00)、3月8日(8:00〜16:00)
対象台数:131台(遠隔制御下の家庭用蓄電池)
目的:再エネ余剰時に計画的に充電(需要創出)させることで、太陽光・風力の出力抑制量の低減と需給安定化に寄与
稼働蓄電池:オムロン ソーシアルソリューションズ社製 KPBP-A-SET-2AC127-N、KPBP-A-SET-2AC98-N
3.上げDRの実施結果

<3日間集計>

※4)同一世帯において蓄電池の効果を試算・比較した場合の削減額とその比率


4.お客さまメリット:操作不要で"節約"と"社会貢献"を同時に
導入ご家庭は特別な操作は不要です。安価な時間帯に自動充電、高い時間帯に自動放電が行われ、電気代の抑制と、今回のような再エネ余剰時の充電制御による需要創出(上げDR)による需給安定化への貢献を同時に実現します。
5.東京都のDR実証事業へ参画
当社は、東京都が実施する【家庭用】アグリゲーションビジネス実装事業のDR実証に、設備設置者および家庭用アグリゲータとして参画しております。当社は本件の上げDRを含め、東京都とともに2050年「ゼロエミッション東京」の実現に向けて連携を強めアグリゲーションビジネスの社会実装に貢献してまいります。
6.今後の展望
設置・遠隔制御台数の拡大により、より大規模な上げDRが可能となります。当社は、家庭用蓄電池を中核とする分散型エネルギーの社会実装を加速し、再エネの有効活用と首都圏のレジリエンス向上に貢献してまいります。
■プロジェクト責任者のコメント
今回首都圏で初の再エネ出力抑制が実施され、これで全国すべてのエリアで再エネ出力抑制が実施されたことになります。ご家庭の屋根太陽光発電から大型の太陽光発電所まで様々な形で再エネの導入が進む一方で再エネ余剰の問題は今度ますます深刻化していきます。てるまるでんちでは、プロジェクトに参加いただいたご家庭の日々の電気代を削減するとともに、このような再エネ余剰となるときには積極的に充電することで負荷を生成し、今後需給ひっ迫時には逆潮流を含む放電をすることでご家庭と社会のメリットの両立ができることを証明できました。今後も益々増えるてるまるでんちは、お客さまの経済メリットと再エネ社会の進展を同時に実現していきます。
□用語について
▼東京都『家庭における蓄電池導入促進事業』
https://www.tokyo-co2down.jp/subsidy/family_tikudenchi/
東京都内の住宅に太陽光発電設備と連携する蓄電池システムを導入する際、その費用の一部を助成する制度。この事業は、都の「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」の一環として、家庭のエネルギー自給率向上と停電時の防災力強化を目的としています。
▼てるまるでんちプロジェクト
https://www.tokyu-ps.co.jp/campaign/1000battery/
東急パワーサプライが所有する家庭用蓄電池を、設置条件を満たす希望する世帯に無償で設置・貸与し、貸与期間中(約10年間)運用保守を行うものです。プロの需給管理担当者が蓄電池を遠隔制御することで、電気料金の安価な時間帯に蓄電池を充電、電気料金が高騰する時間帯に放電する運用を行い、普段の生活のままで電気代削減効果が期待できるとともに、災害・事故や電力不足などによる停電の発生時には、自動的に自立運転に切替わることで電気の供給を継続することが可能となります。蓄電池本体のほか、設置工事、保守点検に関する費用は一切不要、貸与期間終了後には無償で譲渡されます。
▼再生可能エネルギーの出力制御
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/grid/08_syuturyokuseigyo.html
太陽光や風力などの発電量が消費電力を上回る際に、電力系統の安定(同時同量)を保つため、送配電事業者の指示で発電を一時的に停止・抑制する措置です。主に日中の電力需要が下がる春・秋に発生し、2022年以降は全国的に「無制限・無補償」のルールが拡大しており、2026年3月に東京電力管内で初めて実施されました。
▼上げDR制御
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/advanced_systems/vpp_dr/about.html
上げDR(デマンドレスポンス)制御は、太陽光発電の余剰など電力供給が需要を上回る時間帯に、家庭や企業の機器(蓄電池、EV、給湯器など)を稼働・充電させて電気の消費を意図的に増やす取り組みです。再エネを有効活用し、周波数安定化に貢献します
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